猟の収穫を山の神に感謝する小玉川熊まつり

▲小国町で行われている、
小玉川熊祭りの儀式の様子の写真
- ・場所:山形県小国町小玉川の梅花皮荘(かいらぎそう)周辺
- ・開催期間:毎年5月4日、時間は10時~15時ぐらいまで。
- ・小国町の名物・特産品:山菜、つる細工品、木工品、干し物、地酒

小国町は自然が多い地域
5月4日に小国町で開かれている小玉川熊祭りを観光した。小国町と言えば土地は広いが
観光面は強くはなく、自然が多い所也。
それ故、特産物も
山菜など自然を活かした
物が多く、観光ワラビ園などはたくさんある。
小玉川周辺の景色は良く、山形経済同友会
の『第1回地域づくりのやまがた景観賞』にも
選ばれている。橋の上から見ると最高だった。
小玉川熊祭りの歴史
- この小玉川熊祭りは猟の収穫を山の神に感謝したまつりで、東北地方で狩猟生活をして
山の神を信仰したマタギ達が、300年以前から伝わり行っていた。
かつては、山親方の家で行われていたそうだ。
それで昭和49年(1974)から、小国町の町興しとして今では毎年5月4日にマタギの文化を
今に伝え開催している。熊祭りでは、実際のマタギ達による熊狩りの模擬実演も行われています。
会場の様子
会場では現役のマタギ達を、ちらほら見かけます。5月だが遠くの飯豊連峰には雪が残り
周辺に植えられた桜の木が、風に揺られ散っていく様子が見られた。
会場は山の中にあり不便な場所であったが、それでも約2000人の観光者が訪れ賑わった。
場所は山形県の隅っこにあり、ほとんど新潟県に行っているようなものだ。
熊狩りと熊まつりの神事


熊まつりの流れ
熊まつりの模擬熊狩りは10時から左の山で
行われた。その後、山に向かい大声を上げ競う
イベントがあり、熊を威し追い込む時や
勝どきの際に、マタギがあのように大声を出す。
神事の時間が長く、途中で太鼓のイベントや
踊りなどが披露された。
あとは広場で、うまい物でも食べながら
毛皮や鉢植えが当たる抽選会が開かれた。
熊狩りの様子
- 熊(シン)の毛皮を被ったマタギと、実際に行われているシシ山衆らが熊狩りの模様を再現します。
伝統の衣装を装備し、解説を交えながら熊狩りの模擬実演を披露される。
勢子(せこ)と呼ばれる熊を追い込む役が「ホーリャー」と大声を上げ、クマをビビらせ追い込みます。
それで熊が反対方向に逃げた所を射撃して仕留めるという内容でした。
場所は川を挟んだ遠くの山で行われるので、とてもじゃないが望遠鏡が無いとよく見えない・・・

オコゼ奉納と神事の様子
あの黄色い山伏ぽい服装をした方は
神主だな。熊の模範狩りも終わり、無事に
熊が狩れたことと山の恵みを、山の神に感謝し祝詞を上げ、テーブルには米や酒、熊の頭蓋・毛皮・ライフルが供えられていた。
山ノ神は女性であり、大変嫉妬深い性格
だと伝わるので、写真にあるブサイクで
汚なそうな魚のオコゼを奉納します。
三角に組まれ中央にある鍋について
あの三角に組まれた結界のようなやつは、山ノ神への感謝が終わると、あの山伏の方が
沸騰した熱湯に、山の神に奉納してた笹の葉のエキスを混ぜ、術を施し混ぜた液体を見ている
観光者やマタギの方々に振りかけます。振りかけられると無病息災や身体堅固の
ご利益があるのだとか。
あのお湯は熊祭りが始まった時から、すでに沸かされており、絶えずマキをくべて沸かしていた。
かなり熱そうで振りかけられるのを遠慮してた方もいたが、私は最前列に居てモロに浴びたけど
印象としては、お湯のシャワーを浴びているような感覚だった。ヤケドするほど熱くは無い。
山の神の加護を受け、今年は病や身体が丈夫でいられるのかな?
熊汁と抽選会で賑わう祭りイベント


イベントや食べ物広場の様子
神事を行う所とは別にある広場では、お土産などが販売されていた。主に熊汁が人気で、
他には毛皮や熊の油なども売っていた。
抽選会は一番最後に行われ、途中には花笠踊りや太鼓のやつの披露を交え賑わってた。
それで、せっかく訪れたのでアレやコレやと
広場を観察してみた。
うぅ・・熊汁は数量限定だったのかぃ・・・クマたん売りきれる!
もっとも列を作って並んでいたのは熊汁で、スープの上に熊の肉?ぽいのを乗せて販売していた。
最初は列の数を眺めて、あれでは30分近く並ばなきゃ駄目だな~とか思い
後で空いてから購入すれば良いか!と考え、風景や祭りの写真をしばし撮影して
その後購入しようとしたら完売!! 1時間ぐらいで売り切れやがった・・・
よく見ると確か600食とか書いてあった。どうりで我先にと皆並んでいたのが理解できたよ。
熊の毛皮が当たる抽選会を観察
熊汁の他にはアユの塩焼きやら、餅をついて販売してました。
一方、抽選会の方では毛皮や鉢植えなどが当たるようだった。熊の毛皮は1着・10万円の値段が
するそうです。私は抽選会に参加していなかったが、山の神は誰に熊の毛皮を上げたがる
ものなのか観察することにした。毎年宮城県から来られる方が、当選確率が高いのだとか。
それで横にいた家族が熊たんの毛皮ををゲットしてました。しかも鉢植えも含め、2回当ててた。
どうやら山の神は、あの家族を気に入ったようだ。ずいぶん遠い山形県外から来てたな~
それにしても小国町小玉川の風景は見事だったな。山や川のそのものに天然のオーラと言うか
パワーを感じとれた。自然を満喫するのが好きな方にはオススメな場所だな。
小玉川熊祭りは飯豊梅花皮荘の前でやってます。行き方はちょうど小国町から新潟県へと渡る
玉川橋を渡りきる前に下へ下る細い道路があります。グルリと回って橋の下にある道路へ行ける。
そこから飯豊梅花皮荘までは車で18分ぐらいかかります。
周囲は民家と山だけの風景なので、特に迷うことも無いと思う。駐車場はあるが満車になる。
その時は警備員が道路で誘導しているだろうから、路上駐車して会場まで歩いて向います。
列が長いと会場まで遠くなるので、無料バスで会場まで送迎してくれるが歩いた方が早かった。
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