涼しい風が吹いている摩訶不思議なジャガラモガラ

▲天童市上貫津(かみぬくつ)という、山中にある
ジャガラモガラの写真
- ・場所:山形県天童市上貫津の山の中
- ・駐車場:突き当たりの所に5,6台ほどの駐車スペースがある。
- ・天童市の名物・特産品:将棋駒、出羽桜(地酒)、ラ・フランスのゼリーとアイス、りんご、蕎麦
サクランボ、天童こけし、陶芸
- ・宿泊先:天童市格安宿泊旅館・ホテル

▲画像クリックで地図拡大表示可

冷風が地面の中から吹いてくる場所
天童市にはジャガラモガラというヘンテコな
名前の場所がある。そこでは冷たい風が
絶えず地面から吹いている。
すり鉢状になっているが、水が溜まらない
という不思議な所で県指定天然記念物です。
雨呼山(あまよばりやま)という標高906mの
山中にあります。ジャガラモガラに行く途中
碑や神社があり、眺めながら観光してきた。
▲じゃがらむら体験交流センター

林間広場
じゃがらむら体験交流センターの方は、麺を扱った定食屋になってました。山側にある店なのに昼になると駐車場がちょっと埋まる。
そこから少し車で登ると林間広場なる所がある。
水道も通っており、蛇口から水が出ます。
芋煮会や鍋物ができろうな石のカマドがあった。
周囲の木々には、クワの実・にわとこ・さんしょう
が実り、実用性を兼ね食せそうな実ばかり。

左のクワの実は周囲に小さい虫がブンブン漂っていたから、素で食べるのは止めた方が良いかも。
東漸寺跡とじゃがらもがらの水~山の神


市指定有形文化財 東漸寺の宝塔
- さらに少し登ると道路脇に、妙な石碑があるのが見えてきます。
この石造物は東漸寺の宝塔(とうぜんじ)と呼ばれるもので、平安末期と推定される寺院跡
だと予想されている。この一帯からは平安期の土器が出土されているそうで
平安時代の頃には、この辺りは寺があり人で栄えていたのだろうか・・・。歴史を感じさせる所也。
じゃがらもがらの水
- さらに少し登ると東漸寺の水と呼ばれる水場がある。
こちらは雨呼山や、じゃがらもがら付近の水が伏流しており、ここに湧き出る水をじゃがらもがらの水
と呼んできたそうだ。水温は9.4℃で明治時代の頃から、うまい水として親しまれた所なのだとか。
確かに水の透明度が高く、どことなく飲めそうな気がした。
初めに見た印象としては、米沢市の堂森にある前田慶次清水を想い出したよ。
あれによく似てるかな。こちらは沸いてると言うよりは、岩の隙間から流れている感じだ。
魚でもいないかと、じゃがらもがらの水中を眺めると、何やら茶色いハサミムシぽい昆虫が2,3匹
ほどウロウロしていた。見る分には別に平気だが、絶対に触りたくないのは言うまでもない!
山の神へご挨拶
山の中腹あたりだろうか、道路脇には若干の広いスペースがあり、その横には今にも壊れそうな
山の神が置かれていました。中は肉眼で確認でき、石碑が置いてあるだけでの質素な建物。
基本的に私は神や仏への信仰心は厚い方なので、やはりここは参拝をしてからジャガラモガラへ
行くことにした。それにジャガラモガラは一説には、姥捨山だとも言われているから
やはり念を入れるのに越したことはないのである。山ではトラブルが付き物、
山の神は女性をひどく嫌い悪さをする性格なので、尚更入山の挨拶を忘れてはいけないだろう。
ジャガラモガラ風穴

じゃがらもがらについて
- じゃがらもがらは平成7年3月に山形県指定天然記念物に指定され、標高500mぐらいにあり
深さ100mのすり鉢状の窪地になっている。すり鉢の底にあたる部分には、無数の穴が開いており
そこから冷風がソヨソヨと吹いている。真夏でも摂氏3~7℃の冷風が吹く。
地面にある石の砂利は、石英安山岩が砕けたやつで大雨が降っても水が溜まることが無いそうだ。
穴の大きさは約30cmで、数にして6,7箇所ほどあった。
中からは冷風が吹き穴の中だけから吹くのでは無く、右の写真の砂利に手を触れると
石は冷たく、下から冷風が沸いているのが確認できる。
ジャガラモガラの名前の由来
- そもそもジャガラモガラとは実におかしな名前であるが、その名前の根拠となる文献は無く
いつ頃からそう呼ばれたのかも不明であるが、いくつかの説ならある。
- 1.地形を形容した説
- 2.姥捨山の説
- 3.アイヌ語説
- 4.福島県いわき市に伝わる「じゃんがら念仏」とした説
- 5.龍の伝説
舞鶴山の近くにある仏向寺では、毎年11月17日には一向上人踊躍念仏という踊りが行われており
雨呼山のジャガラモガラの龍から貰った、縫い目の無い衣を着た先導・維那(いな)と9人の僧侶が
踊念仏というのを披露するそうだから、5番の龍伝説が名前の由来だったりするのかと思われる。
ジャガラモガラの真逆な植生
- 普通はすり鉢状になっている地形の山々では、底の部分の植物が生茂り
標高が高くなるにつれ草木が育たず、高山植物のようなものばかりになるが、
ジャガラモガラに至っては、すり鉢状になっているため、下から冷風はどんどん溜っていき
この冷気に影響され底の方にある植物は気温が低いため育たず
標高が高くなるにつれ植物が育つという真逆な植生環境になっている。
春になっても芽生えが非常に遅く、ベニバナイチヤクソウ・コキンバイ・ヤナギラン・ホソバノキリンソウ
など亜高山性の植物が群生しているようだ。

じゃがら村まで、ちと分かりづらいかも~
ジャガラモガラへの行き方は、県道279から山の方に伸びる一般道へ進むような感じです。
説明が難しいが、じゃがら村まで到達するまで分かりづらいように思える。
一応看板はあるが、最初の看板を見逃すと
どこから山の中へ通づる道なのか不明な点がやっかいだ。
しかし、じゃがら村まで到着すれば、ジャガラモガラ風穴までは1本道なので迷うことは無いが
5,6台ほど駐車できるスペースから徒歩10分ほど歩かないと到着できません。
車を置ける場所の側には看板があるので、そこから歩いて行くものだと思えば良い。
右に曲がり急な坂道を徒歩で下る
その看板からちょっと歩くと、上の写真のように左と右に分かれている場所に到達します。
ジャガラモガラ風穴行きは右に進みます。後は看板があるから行けば分かるだろう。
左へ進むと雨呼山から若松寺へ通じる道なので、反対方向へ行ってしまいます。
じゃがら村からジャガラモガラ風穴までは、道路の横幅は1台程度の狭い幅です。
それ故、登りと下り目的の車がはち合うと、どちらかが若干広いスペースで道を譲らなければ
ならないほど悪路。山の中にある割りには、結構眺めにくる観光者が多いです。
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