350年の歴史を持つ奇習カセ鳥


奇習カセ鳥
▲上山市で伝統的に行われている奇習カセ鳥の様子

  • ・開催日:毎年2月11日(祝・建国記念の日)

  • ・場所:上山市内(かみのやま市内を練り歩きます)

  • ・時間:10:00~15:00

  • ・上山市の名物・特産品:サクランボ、こんにゃく、ラ・フランス、干し柿、まんじゅう、ワイン

  • ・宿泊先:上山市格安宿泊ホテル旅館

カセ鳥
カセ鳥さまのお出ましだぞ!
上山市で行われている奇習カセ鳥を眺めて
きました。2月上旬に行われ、山形には雪が
まだまだ多く残る季節ではあるが
その寒さを吹き飛ばすようなカセ鳥の気合の
入った舞と掛け声でした。

して、今回は午後から行けたので
ちょっくらカセ鳥を眺めに顔を出してみました。
          ▲うはっー寒そう・・・

上山温泉街

奇習カセ鳥とは?
カセ鳥は、今からおよそ350年前の江戸時代初期頃の旧正月の13日に行われていた行事で
モモヒキやワラジ、腹にはサラシを巻いた男女が、頭からケンダイと呼ばれるミノのようなものを
被り、「カッカッカーのカッカッカー」と鳴きながら上山市内を練り歩く、上山独特の行事です。

これはカセ鳥(稼ぎ鳥や火勢鳥)を現したもので、商売繁盛や火の用心を祈願したものだ。
横で見ている観衆らは、ヒシャクやバケツに汲んだ水をカセ鳥にぶっかけます。


奇習カセ鳥の歴史
当時のカセ鳥の始まりは、現在の上山市高野のカセ鳥2人と付人1人が
上山城内に旧13日に招かれ、御殿に許しを得たということで御前カセ鳥と指定されたようだ。
町内にも旧15日からカセ鳥が集まり、町内カセ鳥として正月に練り歩いたそうだ。

明治29年になるとカセ鳥は一時途絶えたが、昭和34年に上山市民らに再現され
昭和61年には保存会が結成し、当時の伝統行事を伝えている。
今では「カッカッカー」と奇声を上げるが、当時は「クックックッ」とも鳴いた。
それで水をかけたり御酒を出したり、青指しという銭一貫文を与え労をねぎらったと伝わる。


かみのやま市内を練り歩きながらカセ鳥を観察


上山火勢太鼓

シンプルだからこそ、正当な伝統を引き継いでいるってことか!
カセ鳥が舞っている中、音楽は上山火勢太鼓や笛といったシンプルな楽器を使用している。
あとはメガホンで「カッカッカーのカッカッカー」と歌うだけなのだ。

上山市はどこを眺めても、昔ながらの独特の奥ゆかしい古さを感じさせる所が良いものだ。
ヘタに現代に合わせたような、派手すぎて無理やり観衆を沸かすような作りになっていない
のが良いように感じる。やはり大事なのは中身なのだな~とつくづく考えさせられるものだ。

ん?あの鬼の面は何だろうな・・・
奇習カセ鳥の隊は2部隊に分かれ
それぞれ決められた各地区で披露するが
最後は南町のヤマザワの前の道路で合流し
盛大なラストを飾った。

それでメガホンで歌っている方をよく眺めたら
神主ぽい方が鬼の面を頭に乗せ歌っていた。
 
そういえばカセ鳥を始める前は、祈願式を行いそれから上山城から出発する流れになっているのだ。
神主がメガホンやってても、何も不思議なことでもないか。というか、そっちの方が何かご利益が
ありそうだしな。袴を眺めると白色だったから、ひょっとしたら位が高い方なのかも。

それで周辺では、奇習カセ鳥のエコバッグや火の用心の護符を移動販売してました。
値段は確か500円と言ってました。エコバッグを見たがカセ鳥の絵がプリントアウトされてた。


カセ鳥の中身はどうなってるのか?
前述のケンダイと呼ばれるミノを外すと、中はあんな感じです。
主に若手の男性が多いが、中には女性も混ざっていた。よく眺めると背中とか至る所に
テープを貼っている方がいるのは、あれはミノによる摩擦を防ぐために貼っているのだそうだ。

肌とミノが触れる部分が、舞っていると摩擦により肌が荒れるそうです。
その上、冬の真水をぶっかけられるので、これがまた痛いのだそうだ。


チクチク、ヒリヒリしそうだな・・・
さらにミノに水がかけられ、水を吸ったケンダイは重く舞のが大変なのだとか。
終わった頃には、背中が真っ赤になり霜焼けぽい症状になってる方も見られた。
見た目では軽やかにに舞っているように見えるが、案外キツイのですね・・・。

カセ鳥による舞が終わると、後でかみのやま温泉に浸かれるとかでそれがまた楽しみなのだとか。
中には話しによると、九州から来た方とかもいるとか話が流れてました。
いや~真冬の中お疲れさまでした。こちらも何か気合が入ったような気がしました(^o^)

奇習カセ鳥と上山市の旅館


上山市内の場所・地図


山形県上山市内の場所・地図
▲画像クリックで地図拡大表示可能
山形県上山市沢丁周辺の地図 - Yahoo!地図

今回私が訪れたのは、上山の温泉街の葉山地区とか南町辺りです。
午前中だと祈願式を行い、上山城から出発します。順路などは結構複雑だが、出発が上山城で
温泉街は必ず回るルートなので、ほぼ順路は固定だと思われる。

時間帯や順路時間の詳細については、こちらの上山市観光協会ホームページ
カセ鳥の期間近くになると、ルートの地図がpdf形式で貼られてましたので、そちらでご確認を。
駐車場に関しては特に無かったりするかな・・・。大抵の方は、上山城や上山市役所の駐車場を
利用してた方が多かった。まぁ旅館の駐車場の利用などは、たぶん叱られるだろうから
止めといた方が良いと思った。


▲奇習カセ鳥の動画



奇習カセ鳥の関連サイト


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