
腹減り侍『こんにゃく番所』の話

▲上山市にあるコンニャク専門店の丹野
こんにゃく番所
- ・場所:山形県上山市楢下1233-2
- ・電話:023-674-2351
- ・定休日:火曜日
- ・営業時間:11:00~17:00
- ・駐車場:お店の前・200台(無料)
- ・上山市の名物・特産品:サクランボ、こんにゃく、ラ・フランス、干し柿、まんじゅう、ワイン
- ・宿泊先:上山市格安宿泊ホテル旅館

武家屋敷のような建物のコンニャク屋
上山市の
楢下宿へ向かう道には、こんにゃく
番所という店がある。この辺りの楢下宿とは
その昔大名達が参勤交代のために利用した
宿が多くあり、この道から江戸へ向かって
行った道である。
たぶんそういった歴史がある場所なので
このような武家屋敷の外観の店なのだろう。
▲こんにゃく番所の駐車場から撮影
だいたい創業は約50年ぐらいだそうです。初代に始められた婆さんも現在も健在のようで
この建物が立ってからは20年ぐらいなるのかな~と言ってました。
現在は3代目の方が、お店を継いでおられるそうです。(現、2008年4月)


▲左手のこちらがお食事処やお土産屋 ▲右手はカフェ処とお食事処(別館)
店の中の建物と見取り図
最初中へ入って思ったのが、左か右かで迷う。左はお土産や食事ができる所です。
右はカフェレストラン的な茶をたしなみ、くつろぐような所でした。
真っ直ぐに進むと、いこいの場と呼ばれる場所で、池と川が有り井戸の跡らしき物がありました。

こんにゃく番所の中の見取り図。下の矢印の入口が、上の写真の門にあたる。
入って左側の休憩所では、何か煙が立ち昇っていた。あの匂いは、木材系の木を燃やしているに
違いない。右側の庭には、梅の木ぽいのと小さな滝のようなのが流れ、日本的な風流を感じた。
こんにゃく番所の豊富なコンニャク料理

どの料理もこんにゃく尽くしの献立となっている
全部でおよそ200種類のこんにゃくの品があるそうです。私が食べたのはほんの数種類に
すぎないようだ。どれも隣の工場の方で作られているようです。
山形県のこんにゃくは有名らしく、他の県の同業者が従業員を連れてやって来て、その品数に感激し工場を見せてくれるようにお願いしたら、それは企業秘密だから駄目だと言い断ったそうな。

店内の様子と雰囲気
特等席とも言えそうな席に案内された。
私が招かれた部屋は、正面に家栄為益と書かれた文字と、黒い鎧兜のある部屋だった。
側にはテレビとお鷹ぽっぽが置いてあった。
あの鎧兜はサイズから言うと、飾り物用のだと思う。着用するには少し大きい。左右の部屋は屏風で、仕切りが置いてあり典型的な日本料亭だ。
▲店内の様子


▲左側の部屋の様子。うまく仕切りを活かしてる ▲あれは米沢の笹谷一刀彫・お鷹ぽっぽだな
注文はコースにより、献立と値段が違う
私が注文したのは、二.懐石料理(2、625円)コースを注文した。2千円コースからはお腹いっぱいになると言ってたからだ。私が全部食べた印象からすると、たぶん女性の方は千円コースの方が良いかも。理由は全部食べれないと思うからだ。私が注文したやつは、ラーメン大盛りの1.5杯分くらいの腹具合で、その後晩飯が食べれなかったほどだった。どうやら、こんにゃくは腹持ちが良いようだ。


▲画像クリックで拡大表示可能 ▲デザートのこんにゃくゼリー
ラフランスの味がする、こんにゃくゼリー
最初に運ばれてきたのが、お茶とコンニャクゼリー。食べて思ったのが、これは売れる味だな・・・
この時点で小手先だけの、ただのこんにゃく屋でないことが伺い知れた。
料理は続々と運ばれ、献立内容を丁寧に解説までしてくれるほどの親切さだった。


▲ゴマ豆腐ならぬゴマこんにゃく ▲酢の物
ゴマこんにゃくと酢の物
左の写真の黒い物は、黒ゴマ。しみ豆腐ぽいのはコンニャクでできたいました。
右の写真の酢の物は、めかぶと山芋辺りが入っていた。私は割りと酢の物は苦手だったりするが
このくらいの量なら特に問題なかった。


▲盛り付けが日本的ですな ▲がんもどきの中
竹の子と、がんもどきが入ったあんかけ風味
こちらは竹の子やにんじん、がんもどきなどが入っており、スープは醤油味であんかけ風。
トロリとしたあんかけが丁度良く、見た目以上においしい物だった。


▲見た目が綺麗なコンニャク料理 ▲中は山菜で巻かれていた
サラダ、黒豆、珍味類のこんにゃく料理
左上の黒いのは、黒豆とそれに似たコンニャク。味は甘く煮込んである。どっちが黒豆なのか
見た感じ分からないほど類似して作られていた。
笹の葉の上に乗っているトマトは、中はくり抜いてコンニャクのサラダになっていた。
ちりめんじゃこぽいのは、コンニャクに味付けした物。
右下の綺麗な粒々の料理の中には、山菜とコンニャクが入っていた。そういえば注文をするときに
山菜かニシンのどちらにしますか?と聞かれたときに、山菜を選択したから山菜巻きなのかな。


▲見た目が白子ぽいかね ▲中はこんな感じ
つぐみのような料理
運ばれてきてフタを開けると、昆布でダシを取ったのをワサビと混ぜて食べる料理が出てきた。
見た目からしてコレ何なんだろう・・・と不思議に眺めていたが
中を箸で斬り開くとコンニャクと白いのが入っていた。食べてみると、つぐみのような味がした。
食感は魚肉ソーセージのような物で、味もそんな感じだった。


▲もつ煮込み風こんにゃく ▲刺身こんにゃくの盛合せ
もつ煮込みと刺身の料理
左の写真はもつ煮込みで、モツの部分がコンニャクになってた。あはは洒落たこと考えますな^ー^
右の写真は
刺身こんにゃくと呼ばれるもので、醤油とワサビを付けて普通の刺身のようにして
いただく料理です。こちらは山形県観光物産館などにも何種類か売っています。
緑色したお茶の葉が混ざっているような、刺身こんにゃくがやわらかくておいしいですよ。


▲若草のお吸い物 ▲中を割るとこんな感じ
竹の子と若草のお吸い物
こちらのお吸い物は、たぶん刺身こんにゃくで少し冷えた体を温め、元に戻すために用意された
料理ではなかろうかと思った。中を割ってみると若草と豆類のようなのが入っており
素材の風味を活かした料理になっていた。


▲コンニャクそうめん ▲コンブの甘煮
こんにゃくのそうめんと、コンブの珍味
左の写真は、そうめんに見えるが実はあれは全部コンニャク!横の茶色の料理は、コンニャクを油で揚げた物で、牛肉で巻いておりパリパリ感がおいしかった。
そしてこの料理が、ものすごくお腹いっぱいになった。こんにゃくは腹持ちが良く中々消化しない。
他の珍味などが、少なく盛られていたのに納得した一品だった。
右の写真のコンブの甘煮の方は、普通に甘く煮たおつまみ風の料理でした。


▲コンニャクのにぎり ▲なめこのソバ
コンニャクの寿司と普通のなめこの蕎麦
最初にぎりと言えば、おむすびを想像してたが何と寿司の方だった!面白いことに下にあるガリ
までが、ガリの味がするコンニャクだったのだ。和と和の融合とは、実に面白いものだ。
最後に出されたメニューは、なめこが多く入った普通のソバでした。こちらはコンニャクは入っていないような気がしました。前にもそうめん系が出たのに、また麺類系が出るのには山形名産の蕎麦も
食してほしいという考えから、普通のソバを出したのかな~と思った。
最後にお土産屋の所で会計を済ませたら「サービスです」と言われ、玉こんにゃくも頂いた。
この時点で、相当お腹いっぱいでした@@; せっかくなので、いこいの場とか庭の風景を眺め
ながら玉コンニャクを食べていました。
全体的な感想と味について
近年、私の味覚は衰えてきているのかなと考えながら食べていた時に、私の後から来た客が
「ビールは置いてないのかね?グイッと一杯やりたいのだが」と料理を運んでいる人に言ってた。
私は昼間からビールとは、まさか貴様そのまま飲酒運転で帰る気じゃあるめぇーな。
と思い目を向けると、料理を運んでくる人は「うちはコンニャク専門店ですので、アルコール類は
一切置いていない」と丁寧に断っていた。
料理は素材ではなく、心だと改めて悟る
どうやら、私の味覚はまだ健在だったようだ。食べているときに観音様の味がしたのだ。
それはどういう意味かと言うと、料理は食べやすいように工夫されていたりして、料理人の心が
伝わる物だった。それと『おもてなしの心』が合わさり、観音様のようなやさしい味がした。
その心は最後にはやがて形が変わり、「感謝」の一文字がフッと頭によぎる味だった。
ここは場所条件は決して良いとは言えないが、長く商売が繁盛する所だなと帰るとき思った。
回りは山と田んぼと民家が多いから、道があってるのか不安かも・・・
こんにゃく番所は分かりづらい場所にあると思った。上山市方面から行こうとすると、楢下宿方向を
目指すとその途中で発見できる。向かうときによく電信柱に小さく広告が結構貼られているので
それを頼りにして行けなくはないが初めての人だと分かりづらいかも。
奥羽街道の道は国道13号線の道路の下にあるので、途中で曲がって奥羽街道を目指すようになるであろう。三本松という小さな碑が置いてある角から曲がれば、そのまま真っ直ぐに進むとこんにゃく番所へ行けるが、これも分かりづらい可能性が高いので、旧尾形家方面から小さい田んぼの中の道から奥羽街道に出ると行きやすいかも。車にナビでもあれば迷わないだろうが・・・
尚、駐車場は道路を挟んで入口の反対側に広くある。
丹野こんにゃく番所の関連サイト
・
こんにゃく番所 公式サイト
記事のコメント